2013年4月30日火曜日
ユニクロの給与世界統一の方向性について
ユニクロの給与世界統一基準の方向性を指向する柳井さんの考えに同意します。なぜなら、グローバル展開している企業にとって、人事・業績評価の基準は同じである必要があるからです。一企業内での評価基準が同じであれば、同じ評価の人は、給与水準も同じでよいはずです。ただし、そのような、同一評価同一給与を行うことにより、全世界の従業員に対してあるインパクトを与えることになります。すなわち、あるインパクトによって、それは国民性の違いなどから、いくつかの国において、従業員のモラル低下や離職、加えてそれぞれの国の「世間」からの批判などが当然に発生し得る。したがって、まずユニクロが目指すもの、重点を置く国(または地域)を決定し、次にそれらの国に重点をおいた人事(給与)戦略をとった場合に、それ以外の国々おいてどのような影響があるか、またその影響は想定範囲内かどうかを、数値化して、最適な人事(給与)戦略とすることが必要だと思います。この時、影響度を数値化するヒントとして「国民性」を指標として用いることができると思います。
2013年4月28日日曜日
日本の会計監査:「監査における不正リスク対応基準」
2013年3月26日に、企業会計審議会の総会においてとりまとめられた「監査基準の改定及び監査における不正リスク対応基準の設定に関する意見書」が公表されました。
2013年4月26日金曜日
金融商品取引法等の改正案(その⑤)投資法人の資金調達・資本政策手段の多様化について
金融商品取引法等の改正案の⑤投資法人の資金調達・資本政策手段の多様化では、投資法人は自己投資口の取得や投資主の割当増資(ライツ・オファリング)を実施することが盛り込まれました。また、小規模投資信託の併合手続の簡素化として、併合しても投資家の不利益にならない資産内容の変更にとどまる場合には、投資信託の併合に係る書面決議を不要としています。そのほか、投資家への情報提供を充実させるために各投資家に必ず交付される交付運用報告書と、詳しく内容を知りたい投資家からの求めに応じて交付される運用報告書(本体)とに分離する案なども盛り込まれています。
金融商品取引法等の改正案(その④)銀行等による議決権保有規制の緩和について
金融商品取引法等の④銀行等による議決権保有規制の緩和では、金融審議会での議論をふまえ、銀行とその子会社の合算で5%超の議決権保有を禁止する現行規制を一律に緩和する方針はとらず、例外規定を増やします。主な内容は次の通りです。投資ファンドなどの有限責任組合として取得・保有する議決権については現行では10年以内の保有であれば5%ルールの対象外とされているが、この期間制限を撤廃する。銀行本体による保有規制の例外としては、DES(デット・エクイティ・スワップ)による議決権の取得・保有が可能な期間が「1年以内」から原則3年に延長され、事業再生会社の議決権について新たに原則3年の取得・保有を認める。投資専門子会社を通じた保有規制の例外としては、ベンチャー・ビジネス会社の議決権の取得・保有が「10年以内」から「15年以内」に延長され、新たに地域経済の再活性化事業会社の議決権は、10年以内40%未満の取得・保有が可能に。
2013年4月25日木曜日
金融商品取引法等の改正案(その③)金融機関の秩序ある処理の枠組みについて
金融商品取引法等の改正案の③金融機関の秩序ある処理の枠組みでは、国内銀行・証券・保険などのカウンターパーティーリスクに対処する目的で、市場の著しい混乱回避のために必要と認められる場合に、預金保険機構が金融機関を監視し、流動性供給や資金援助などの措置をとり、危機に瀕した金融機関が債務超過になっていない場合には、資本増強も実施できるようにしました。預金保険機構による資金調達には政府保証を付す一方で、損失が生じた場合には金融業界の事後負担を原則としました。
金融商品取引法等の改正案(その②)AIJ事件を受けた資産運用規制の見直しについて
金融商品取引法等の改正案の②AIJ事件を受けた資産運用規制の見直しでは、投資一任業者による顧客に交付する運用報告書等の虚偽記載、勧誘の際の虚偽告知、投資一任契約の締結に係る偽計に対して、懲役の上限を現行の3年から5年に、罰金の上限を300万円から500万円に引き上げ、また、信託銀行が作成する信託財産状況報告書の交付頻度の引き上げや、年金基金が特定投資家(プロ投資家)になる要件を限定すること等も盛り込まれました。
2013年4月23日火曜日
金融商品取引法等の改正案(その①)公募増資インサイダー取引への対応について
金融商品取引法等の改正案の①公募増資インサイダー取引への対応では、公募増資に関連したインサイダー取引を防止するため、未公開の重要情報を知った会社関係者他人に対して、公表前に取引させることにより利益を得させる目的で情報伝達や取引推奨をすることを禁止し、課徴金、刑事罰の対象としました。
2013年4月22日月曜日
2013年4月16日に政府は金融商品取引法等の改正案を閣議決定
2013年4月16日に政府は、金融庁が提出した「金融商品取引法等の一部を改正する法律案」を閣議決定し、同日衆参両院に提出しました。主な内容は次の5つです。①公募増資インサイダー取引への対応、②AIJ事件を受けた資産運用規制の見直し、③金融機関の秩序ある処理の枠組み。④銀行等による議決権保有規制の緩和、⑤投資法人の資金調達・資本政策手段の多様化。
2013年2月の国際収支状況
2013年2月の国際収支状況(速報)は、貿易サービス収支が▲7,306億円の赤字で、これは前年同月比▲7,264億円でした。経常収支は 6,374億円の黒字で、これは前年同月比▲5,652億円でした。資本収支は▲1,317億円の流出超でした。(ちなみに前月は6,075億円の流入超でした。)
2013年4月21日日曜日
2013年2月の景気動向指数
2013年2月の景気動向指数(CI、速報)は、先行指数が前月比 2.5ポイント上昇の 97.5、一致指数が前月比 0.5ポイント上昇の 92.1となりました。一致指数の基調判断は、「下げ止まりを示している」でした。
2013年4月20日土曜日
日銀の質的・量的金融緩和策の骨子
①マネタリーベース・コントロールの採用:
マネタリーベースが年間60~70兆円に相当するペースで増加するような金融市場調節の実施する。
②長期国債買入れの拡大と年限の長期化:
(1)長期国債の保有残高を年間約50兆円に相当するペースで増加する。
(2)長期国債の買入れ対象を全ゾーンの国債に拡大する。
(3)保有する国債の平均残存期間を3年弱から7年程度に長期化する。
③ETF, J-REITの買入れの拡大:
ETFの保有残高を年間約1兆円、J-REITの保有残高を年間300億円に相当するペースで増加する。
④「質的・量的金融緩和」の継続:
2%の「物価安定の目標」の実現に向け安定的に持続するために必要な時点まで継続する。
2013年4月17日水曜日
2013年4月4日に、日本銀行が「量的・質的に次元の異なる金融緩和」を導入
日本銀行は2013年4月4日、15年近く続いたデフレ脱却に向けて新たな金融緩和策を打ち出しました。「物価安定の目標」2%について、2年程度を念頭にできるだけ早期の実現を目指し、そのためにマネタリーベースおよび国債・ETFの保有額を2年間で2倍にし、国債の平均残存期間を2年間で2倍以上にするという策です。黒田新総裁は記者会見で「次元の異なる金融緩和。戦力の逐次投入はせず、必要な政策はすべて講じた」と今回の方針を説明しました。
2013年4月15日月曜日
2013年2月の完全失業率と有効求人倍率
2013年2年の完全失業率(速報)は前月比 0.1ポイント上昇の 4.3%でした。有効求人倍率は、前月と同水準の 0.85倍で、都道府県別でみると最高は宮城県の1.29倍、最低は沖縄県の0.46倍となりました。
2013年4月14日日曜日
2013年2月の消費支出
2013年2月の消費支出(2人以上全世帯の消費支出・速報)は、実質で前年同月比 0.8%増加、前月比(季節調整値) 2.2%増加の 26万8,099円で、その内で勤労者世帯の消費支出は前年同月比実質 2.7%増加の29万8,682円でした。
2013年4月13日土曜日
バーゼル銀行監督委員会の新たな大口与信規制案
2013年3月26日にバーゼル銀行監督委員会が新たな大口与信規制案「大口エクスポージャーの計測と管理のための監督上の枠組み」を発表しました。新規制案では、信用供与限度額を算出する際の基準となる自己資本(適格資本)の定義を総自己資本から Tier1または普通株式等Tier1に見直すこと、適格資本の25%を超えた大口与信先がある場合には是正を義務付け、適格資本の5%以上の与信先は金融当局への報告対象とすることが提案されています。また同一与信先の範囲を従来の会計上の連結関係から連帯保証等の経済的な依存関係にまで広げること等も提案されています。日本では現在、総自己資本の40%が信用供与限度額となっており、国際基準25%へ引き下げる方向で見直しを行っています。
2013年4月12日金曜日
Coffee Break : ちょっと統計学
分散とは、資料に含まれる個体一つ当たりの平均情報量である。
資料の全情報量とは、変動Qである。
変動Qとは資料に含まれる個体の個性の偏差平方和である。
個体の個性とは、資料における並(標準)の値すなわち平均値からの離れ具合を表す偏差のことである。
厚生年金基金の存続要件
厚生労働省の厚生年金基金制度を見直す改正法案によると、厚生年金基金の新たな特例解散制度が終了する5年後も厚生年金基金制度は維持されますが、代行部分の1.5倍以上の純資産の保有を存続要件としています。存続要件に満たない基金は、解散か他の企業年金に移行することになり、厚生労働大臣が第三者委員会の意見を聞いた上で解散命令を発動できる仕組みも導入することになっています。
2013年4月11日木曜日
厚生年金基金の特例解散制度
厚生労働省の厚生年金基金制度を見直す改正法案では、財政状態が悪化している基金の早期解散を促すため、改正法の施行日から5年間の時限措置として新たな特例解散制度を設けることとなっています。現行の特例解散制度では、代行部分の積立不足の分割納付期間を最長15年としていますが、これを延長します。また、分割納付期間中に倒産した企業の納付未払いを他の設立事業所が負うことになっている連帯債務の仕組みも廃止します。厚生労働省に解散を申請した時点で需給者に支給している上乗せ給付が停止となります。
2013年4月10日水曜日
現在の厚生年金基金の数
現在、厚生年金基金の数は562(代行返上中の基金を除く)です。この内、代行割れ基金(国に代わって厚生年金を運用・支給する代行部分に積立不足が生じている基金)は約4割で、上乗せ給付に積立不足が生じている基金も合わせると約9割に上ると言われています。
2013年4月9日火曜日
厚生労働省の厚生年金基金制度の見直しに向けた改正法案
厚生労働省は2013年4月1日、厚生年金基金制度を見直す改正法案の概要を社会保障審議会年金部会に示しました。厚生年金基金制度は維持するが、代行割れの基金を出さないよう、存続できる基金は財務基盤が強固な基金に限定するという案です。2013年4月中にも改正法案を国会に提出するとのことです。
中小企業金融等のモニタリングに係る副大臣会議
政府は2013年3月22日、事業者の資金繰り動向などを各省庁が連携して把握する目的で「中小企業金融等のモニタリングに係る副大臣会議」の第1回会合を開催しました。この会議では、倒産データを収集して中小企業金融の状況を把握することなどが決められました。東京商工リサーチが中小企業の業種別倒産動向を、信用保証協会が小規模事業者の代位弁済の動向を、民間金融機関や政府系金融機関が1000万円未満の倒産状況を、それぞれデータ収集します。この会議は今後月一回程度の頻度で開催される予定です。
2013年4月8日月曜日
2013年2月の鉱工業生産指数
2013年2月の鉱工業生産指数(速報。2005年を100とする。)は、前月比 0.1%低下、前年同月比 11.0%低下の89.0(季節調整値)、在庫指数は前月比 2.0%低下、前年同月比 0.5%低下の102.6(季節調整値)でした。製造工業生産予測調査は3、4月とも上昇を予測している。
2013年4月7日日曜日
2013年2月の消費者物価指数
2013年2月の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数。2010年を100とする。)は、前月比 0.1%上昇、前年同月比 0.3%下落の99.2、食料(酒類を除く)およびエネルギーを除く総合指数は前月と同水準、前年同月比 0.9%下落の97.6でした。
2013年4月3日水曜日
時間と空間と物質 - ヘーゲルの運動論
ヘーゲルは運動とは何かという哲学的な考察を次のように行いました。ヘーゲルの運動論では、運動を物質の本性と捉えます。つまり、物質というものは、空間の中で時間の経過とともにそこに存在しています。そして、空間の中で時間の経過とともに存在するということが運動であると考えました。
2013年4月2日火曜日
キプロス
キプロスは、人口約86万人、広さは日本の県で言えば山形県ほどの面積で、経済規模はユーロ圏全体の0.2%に満たない地中海の島国ですが、その島国が世界の金融市場を震撼させたのは、銀行預金課税という危機打開策を持ち出したことが国民の当然な反発を招き、単一通貨圏から離脱する恐れが高まり、ひいてはユーロの分裂や崩壊につながるとの憶測を呼び、そのようなリスクが意識されたことによります。
2013年4月1日月曜日
PIRP (Post Incident Recovery Plan)とは
PIRP (Post Incident Recovery Plan)とは米軍が策定しているサイバー攻撃リスクへの対応計画で、民間企業でいうところのBCP(事業継続計画)の一種です。日本企業のBCPは地震災害やパンデミックを想定したものがほとんどで、サイバー攻撃を受けた場合の復帰計画が立案され、訓練されている例はすくないのですが、米軍では、すべてのサーバーコンピューターやパソコンのOSを再インストールすることを前提としてPIRPを計画しています。
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