「粕漬は元来、保存食でした。日本は古来、海とともにある国ですから、いかに魚を上手に食べるかの創意工夫は欠かさなかった。その成果の一つが粕漬です。味はしっかり沁み込んでいますので、粕は洗い落として調理を」とは、魚久の小澤美昭総務部長。
そう、向田邦子もエッセー内で、「味に自信があるのだろう、切身は必ず水洗いして、かすを取って焼いて欲しいという。その通りにしてみたが、実にいい味である」と言及する。粕漬をおいしく食べる大事なポイントだ。生活の細部に根付く愉しみや歓びに誰より敏感だった彼女が、この食べ方のコツを書き逃すわけはないのだった。(BUNGEISHUNJU 2015.9 p236と237の間の「名作 名食」より)文藝春秋 2015年 09 月号 [雑誌]
2015年8月30日日曜日
2015年8月23日日曜日
日本の言語文化への深い理解が大事
日本人は、近代化の達成とともに、自ら削ぎ落として欠けてしまった言語文化があることを認識し、見直すべき時期に来ていると思うのです。日本語への理解と愛着を深めることが、日本人にとって苦手な外国語学習を容易にするでしょうし、ひいては現在のグローバルな世界で生きていく上で大事です。 BUNGEISHUNJU 2015.8 p381-382 文藝春秋 2015年 08 月号 [雑誌]
2015年8月21日金曜日
信陵君を理想とした劉邦
ある時、隣国の趙が秦に攻め込まれ、存亡の危機を迎えます。信陵君の兄の安釐王は、同盟関係にある趙に救援を求められ、形ばかりの援軍を出すものの、強国、秦の報復を恐れて、積極的に戦いに加わらぬよう、将軍に言い含めていました。信陵君はこの義侠心に悖る行動に怒った。そこで、援軍を率いていた将軍を殺し、自分自身が将軍となり秦と戦ってしまうのです。結果は、信陵君の率いた魏軍の大勝利でした。この出来事を知って世間は大喝采をします。この義侠心と軍事的才能を兼ね備えた信陵君を理想としたのが劉邦でした。自分は信陵君のような名門の出身ではないけれども、いつの日か、「弱きを助け、強きを挫く」、ような人間になりたいと考えたのです。BUNGEISHUNJU 2015.8 p112
文藝春秋 2015年 08 月号 [雑誌]
文藝春秋 2015年 08 月号 [雑誌]
「プロ」=「野武士」
・・・そういうナインを束ね、常勝チームに育て上げたのが三原脩監督です。これは稲尾和久さんに昔聞いたのですが、南海戦かなにか大事な試合の前日に登板がなかった、だから当然その試合に投げるんだろうと思っていたら、三原監督が五千円くれて「遊んで来い」と言われたんだそうです。それで自分の登板はないと思った稲尾さんが夜の街に繰り出して遊んで帰って、翌日、球場に着くと、「さあ稲尾、先発行くぞ」(笑) BUNGEISHUNJU 2015.8 P.311
文藝春秋 2015年 08 月号 [雑誌]
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