2016年2月21日日曜日

古代ローマの消費税

古代のローマの消費税と言えば売上税と関税がプラスした率になるが、帝国の首都ローマでのそれが6パーセントでも、国境に沿って連なる軍事基地のある地方は、最高でも3パーセントだった。

理由は、蛮族という仮想敵への最前線に位置することと、それへの対応策である軍事基地があることへの補償、であるのはもちろんだが、それだけではない。

ローマの軍団基地は必要な物資を周辺地域から購入することを義務づけられていたので、消費税を低く押さえることによって、その地域へのヒトとカネの導入を狙った策でもあったのだ。

BUNGEISHUNJU 2016.3, P92-93 文藝春秋2016年3月号[雑誌]

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