2016年3月13日日曜日

相場の極意書『三猿金泉録』に通ずる「付かず離れず」の境地

松辰は能楽が好きである。小春日和の日曜日の朝、くつろいで新聞を読んでいて梅若萬三郎の言葉が目に止まった。「謡曲は謡うて謡わず、謡わずして謡う。舞は、舞うて舞わず、舞わずして舞う」。松辰はこれだ、と思わずひざをたたいた。「ソロバンは持って持たず、持たずして持ち、相場の足には、付いて付かず、付かずしてつく」・・・ この「付かず、離れず」の境地こそ、相場の極意書『三猿金泉録』の「理と非との、中に籠れる理外の理、米の高下の源と知れ」と通じるものだと、松辰は強調している。(『相場師奇聞』P.26-27より 相場師奇聞 兜町の魔術師天一坊からウォール街の帝王モルガンまで

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