2013年11月16日土曜日

憲法90条と96条

(石原)どうせまた、憲法の話を聞くんでしょう? 僕は、90条も直せと言っているんです。みなさん念頭にないでしょうけれど、90条は、「国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない」というもので、会計検査院が国の決算を検査して報告することを定めている。ところが会計検査院というのは、役人の集まりですよ。役人が役人を調べたって、ボロが出てくるわけはない。だから日本の特別会計なんぞは、今も藪の中にある。亀井静香が金融担当大臣をやっていたとき、「特別会計に手を入れたら、何兆も無駄な金が出てくる」と言っていた。確かにそうだと思いますね。それなのに、なぜ外部監査を入れないのか。
・・・・・中略・・・・・
(石原)どうしてやらないのか聞きたいね。僕が公認会計士と相談して東京都の会計制度を変えたとき、「石原さん、国に外部監査を入れるのは当然だけれど、入れさせない壁があるんだ。会計検査院に外部監査を入れても、報告するだけで国会の決算委員会で決議しない。決議させるためには、90条を変えなければならない。」とアドバイスされてね。
・・・・・中略・・・・・
(池上)となれば、憲法はまず90条からと。96条はどうしますか。
(石原)いや。96条が変わらないと、90条も変わりません。
(文藝春秋 2013年8月号 P.132~134より)

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