興味深い統計がある。米ピュー研究所によるアメリカの調査で、成人ユーザーの約10%が全体の約80%のツイートをしているという結果が出ている。また、ツイッターを使う成人の約6%が、ツイッター上の政治的発言の73%ほどを投稿しているとも指摘している。[文藝春秋2020年8月号 p.303より]
2020年8月21日金曜日
2020年8月16日日曜日
日本はなぜ無謀な戦争を継続したのか?
私は、文藝春秋2020年8月号の記事「日本の地下水脈 五つの国家像」( 保坂正康さん)を読んで、思い当たったことがある。現在の日本は、戦争の時の日本とほとんどそっくり似ていると。つまり、現在の日本は国家というよりは、むしろ、一つの「企業組織」のようなものなのかも知れない。ビジネス目的が第一、経済第一なのかも知れない。現在の社会の上層部(戦時中の戦時指導者に相当)のこの世における生活を維持するために、経済を第一とし、その他の国民を消耗品として扱っている。そう思い当たった。
[以下、文藝春秋2020年8月号 p.398より]
<戦争をビジネスにした日本軍>
日本における資本主義の発展も、軍が主導するかたちで進んだ。軍を強化するためには、艦艇や武器などの生産システムを完備しなければならない。そのため、軍需産業が経済の中心に位置づけられた。また、軍との結びついた資本には、国有財産の払い下げが破格の安値で行われた。
さらに言えば、日清戦争以降、日本は「戦争に勝って相手から賠償金を得る」ことが目的化してゆく。企業が資本を活用してビジネスで利益を上げるように、日本という国家は国民の生命と財産を戦争に投じることによって、利益を上げることを企図してきたのである。
実際、当時の日本がほぼ十年おきに戦争をしていることも、戦争が営利事業であったことを示唆している。
より分かりやすい例がある。昭和20年8月10日と14日、ポツダム宣言を受諾するかどうかを検討する御前会議が開かれた。この時、参謀総長の梅津美治郎は、国民の安全や国体護持のことよりも「賠償金をいくら取られるのか」という懸念を、しきりに口にしているのだ。
私はその記録を読んだとき、日本軍は賠償金を獲得する"ビジネス"として戦争をおこなっていたのであり、軍とは"会社"であったのだ、ということに思い至った。
そう考えると、なぜあの戦争で無謀な戦いを繰り広げたのかも想像がつく。負けたら巨額の賠償金を取られるからである。だからこそ、「勝つまで戦争を続ける」といった不合理な発想に陥り、戦時指導者は兵士の命を消耗品のように扱うことにも感覚が麻痺していったのだ。
[文藝春秋2020年8月号 p.398より]
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