2013年5月22日水曜日

企業経営におけるリスク補償の弊害

「リスク補償」の例として、たとえば車にABSが付く前は速度を抑えて運転していた人が、ABSが付いた車を運転するときは、危険な速度まで上げる行動をとることが知られています。このリスク補償は、企業経営にも言えます。つまり、2002年の米国企業改革法に始まった「内部統制の整備と運用」が行われている限り、経営者は、自分たちの企業運営上のリスクが一部低減されたと考え、危険で急な経営を行うようになると考えられます。たとえば、経営者個人の生き残りに都合のよい経営判断、急な組織変革、経済合理性を欠くM&Aの推進、急激なコストカットなどです。それらの急激な変化によって、例え既存の企業運営機能にほころび(会計不祥事や、不正、犯罪)が生じても、経営者は決まって言います。「内部統制が整備・運用されているはずなのに、なぜ事故が起きたのか?私の責任ではないぞ。」

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